clear
RECORDS
rare vinyl specialist
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Idle Talk
from CLEAR RECORDS

当店がまだ店舗営業を行っていた頃ですので、もう随分昔の話になりますが、当時ギターポップ系のクラブが日本では全盛期だったと思います。その頃は、電話がかかり受話器をとるや否や突然電話口で歌い出されてこの曲の入ったレコード無いですか？と聞かれたり、何回もダビングを繰り返し行われたと思われる粗悪音源カセットを大量に突然送りつけられ、一方的に曲名を書いて送り返せとか、かなり失礼な自称ＤＪがたくさんいました。 でも、それも今となっては懐かしい思い出です。 当時最も問い合わせが多かったBRILLIANT CORNERS/.Delilah SandsやFARMER'S BOYS/In The Countryに代表されるパッパラ系ポップが好きな方に必ず独断で薦めていたのが"TRACY"という曲です。 反応は完全に二分されていましたが、ギターポップとは関係なくソフトロックの名曲だと思います。 私がこの曲と出会ったのは1982年、当時New Wave/Punks少年だった頃で、ｵﾘｼﾞﾅﾙのCUFF LINKSではなくPANACHEのカバーでした。この曲を最初聴いた時はDURAN DURANのPLANET EARTHのフォロワー程度にしか捕らえていませんでしたが、何年経っても、頭の中に残っていてちょっとした時に口ずさんでいるような、後味をじっくり楽しめるような曲です。 今回は"TRACY"のｵﾘｼﾞﾅﾙCUFF LINSとPANACHEのカバーを紹介させていただきます。
Original "Tracy"
	THE CUFF LINKS 7" Tracy / Where Do You Go? 日本盤：日本ビクター／ＭＣＡ　D-1002 (1970)
	1969年に本国アメリカでヒットし翌1970年に日本で発売されました。同名のアルバムにも収録されています。残念ながらＣＤの音源入手は数種類のオムニバスでしか難しい状況のようです。昔一度日本盤が出てましたがとっくの昔に廃盤で中古市場でもほとんど出回らないし、今後も再発予定は無いようです。 7"発売当時のライナーに、「パー、パー、というイントロではじまるこの曲は恋の歌。キミに逢って、キスをして、それからもう絶対にはなれない．．．」とある通りキャッチーなコーラスが素晴らしい内容です。 Bubblegum PopのヒットメーカーPaul VanceとLee Pockrissによる共作です。
PANACHE "Tracy"
	PANACHE 7" Tracy / Love Will Never Die 日本盤：東芝ＥＭＩ／EAST WORLD WTP-17312 (1982)
	PANACHEは元RAPERD, CUDDLY TOYSのPuddy Pheilds(Dr)が中心となって結成されたグラム色たっぷりのNew Romantics系のバンドです。 曲作りはT.REXのファンクラブ元会長Colm Jackson (G,Vo)が中心で個人的に大好きな内容でしたが、非常に不運で短命に終わってしまいます。 1st アルバム発売後まずはPuddyが脱退。理由は音楽上の意見の相違ということでしたが、恐らくPaul Hampshire (Vo,Key)の美貌が日本で売れる理由となり、Paulを前面に出して売り込もうとするマネージメント側とPuddyの意見が対立したのではないかと思われます。 後釜はPUDDYの友人で、同じ音楽性のバンドDumb Blondesのメンバーとメンバーチェンジして、2ndアルバムと今回紹介するTRACYをリリースする。 その後更に音楽性を重視するバンド側とマネージメント側の溝が広がったよう（推測）で、実質の中心人物であるColmが脱退してしまいます。 またもやDumb BlondesからVocalistを迎えることとなりましたが、Live盤発売後解散となる。 その後ColmはPARTY HULAとして活動するが短命で消え去る。PaulはBEEに改名しSOUTHER DEATH CULT, DEATH CULTのメンバーとGETTING THE FEAR. INTO A CIRCLEとして活動。 その後しばらく姿を消していたが現在タイのバンコクで多国籍バンド　FUTON のメンバーとして活躍中です。 前置きが長くなりましたが、PANACHEのTRACYはオリジナルをよりポップな仕上がりでお勧めです。 王道POPを是非お聴き下さい。